建築・都市

2019年4月 9日 (火)

祝 磯崎新 プリツカー建築賞

磯崎さんの2019年のプリツカー建築賞受賞を心よりお慶び申し上げます。

 

これまでの磯崎さんの超人的な活動なくして、日本の現代建築に思潮は生まれなかったと思います。この世界的な建築賞の受賞は、日本にとどまらず世界の建築界におけるメタアーキテクトであることの証でもあると思います。

 

個人的には、はや4半世紀が過ぎようとしていますが、磯崎さんのスタッフとして欧米や中国でのプロジェクトに帯同させていただいた経験が、個人として活動していくうえで、確固とした指標となっています。

 

これまでの功績は、建築作品だけにとどまらず、アートや文学、歴史や思想など、超域的、統合的な視点から建築を思考する姿勢によって貫かれています。歴史的、思想的な次元で思考され提示された建築の可能性や意義は、筆舌に尽くしがたいものがあります。

 

広範多岐な活動に常に刺激を受け続けてきましたが、個人的な思い入れから、現時点でのベスト10を絞り込んでおきます。(順不同)

 

①建築行脚(2-5, 7-12)

②ANY会議(anyone anywhere)

③北九州市立図書館

④大分県医師会館

⑤空間の行間

⑥軽井沢山荘(自邸)

⑦コンペ・ジュリー(ラ・ヴィレット、香港ピーク、横浜フェリー、竜馬、スーパースターの家)

⑧コンペ・スキーム(都庁、京都、奈良)

⑨空中都市、廃墟、リダクションドローイング

⑩4部作(空間へ 建築の解体 手法が 建築の修辞) 

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2016年6月19日 (日)

小さな建築

30年前の大学時代に見学した槙文彦さん設計の体育館に立ち寄った折、こんな付属建物をみつけました。サヴォワ邸の門番小屋というと大袈裟かもしれませんが、建築はサブが本体に負けず劣らず刺激的なことがあります。

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実は建物の用途はスコアボードなのです。なんだそうかと思ってしまえばそれでおしまいですが、2本の脚で中空に持ち上げられ広い芝庭を一望することのできるのぞき穴から試合を見てみたいと思わせてくれるだけの気配がありました。

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2014年9月17日 (水)

Timberize TOKYO 2020

一昨日は青山スパイラルガーデンで開催された木造の展覧会「Timberize TOKYO 2020」の最終日で、展示の一部に出品していた構造模型の引き取りがてら、夜の表参道へ。

メインの展示は、東京五輪の施設をすべて木造で想定して、大学の研究室が中心になってつくった競技施設の模型やパネルで、イベント用のスタンドとしてつくられたモックアップは、スチールのブレースを組み合わせてなかなかスマートなスケルトンとなっていました。

また、100ほどの建築家の実例模型が密度高く並べられていて、私も「RIDGE」の屋根架構の模型を手直しして出展しました。

これからは、ますます日本の経済産業とエコロジカルな観点から、森林資源を活用することが求められる時代になってきます。木質パネルや集成材といった工業製品の防火性能や強度は、格段に進化しつつあって、昔ながらの木造住宅や古民家だけではなくて、近未来に向けた都市木造を考えていくことが重要です。

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2014年1月11日 (土)

代官山蔦屋

先日、友人たちと新年会がてら代官山ツタヤへ行ってきました。
八重洲やジュンク堂のような巨大書店をイメージしていましたが、もっとピンポイントなターゲットを狙っている品揃えです。

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ヒルサイドテラスの建築群を久しぶりに見ると一期が一番デザインが優れていると思ったのはトレース課題に対する郷愁だけではないですよね?

2013年8月 1日 (木)

まもなく開館60年

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先日久しぶりに紅葉坂方面に出かけました。

神奈川県立音楽堂(設計:前川國男)の前を通って思わずパチリ。

不勉強でしたが保存運動が起こったあと、きれいに改修・耐震補強されていました。

紅葉坂を登ってこのアングルから見ると今でも印象的な建築です。

2012年12月14日 (金)

ターミナル

先日写真の整理をしていて思い出したのだけれど

ヨーロッパのターミナル駅には改札口がない。

列車内で検札が行われるスタイルだ。

1度、車内でチケットを持っていない乗客が車掌さんに咎められたら逆ギレして

「買ったけどなくしたんだよ!!余分な金は持ってない!俺の電話番号を教えるからいいだろ!!」

と押し切ったところに遭遇した。

こんなトラブルが発生する可能性もあるけれど

チケットを持ってなくてもターミナルのホームに居られることは曖昧な中間領域を形成して、

都市の懐を深くしていると思う。

2012年5月14日 (月)

資生堂アートハウス

私、二宮が先週末の掛川出張で立ち寄った谷口吉生さんと高宮眞介さんが共同設計された資生堂アートハウス(1978年竣工)

掛川というのはある意味近くてとても遠い。新幹線の車窓から眺めては、いつか行こうと思いながら30年。ようやくその機会に恵まれました。

僕らが建築の学生になった1980年代には美術館の課題を考えるときの元型になっていた作品のひとつでもあり、その後の大作にも見られないほど冒険的な幾何学形態が、ハッとするほど巧みな動線や立体的な空間構成にダイレクトに生かされています。

当時、わが師である磯崎新の図書館や美術館とそれに関する言説が、日本の建築・芸術教育に大きな影響を及ぼしていました。僕自身も、特に北九州市立図書館の幾何学的な空間、これは動線と空間がダイレクトでないのです!に、日本の社会や文化、建築や芸術のありかたに対する強烈なメッセージを感じ続けてきました。

一方で、谷口さんや槙さんらのつくるフォーマルな近代建築のなかに見え隠れする光と影、抑揚のある空間構成、美しい動線計画にも魅力を感じていました。

退屈という批判があったかもしれないけれど、34年前の日本で作られたことが嘘のように、ぜいたくなスケール感と洗練された近代を感じることができました。

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2012年1月11日 (水)

メタボリズム展

昨日午後、終了間際の森美術館「メタボリズムの未来都市展」へ。

先日亡くなられた菊竹清訓さん自邸のスカイハウスや

黒川紀章さんの中銀カプセルタワー等の資料が充実していた。

展望台入場がセットになっているのでついつい・・・

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東京タワーとスカイツリー・・・

そういえば横浜の三ツ沢公園からもスカイツリーって見えるんですよ。

2012年1月 5日 (木)

iPad対応完了!

年末にiPad購入したらstudio2のHP でFlash対応部分が読めない!!!

管理者のburoko さんに年末年始ちくちく直して貰って全部見れるように。

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お手持ちのiPadにてご確認ください。

2011年10月31日 (月)

出来事を構造する

構造家の梅沢先生の自邸「IRON HOUSE」と事務所「IRONY SPACE」を体験する機会に恵まれました。

現場溶接による継ぎ目のないモノコック構造が内外ともあらわしにされ、コールテン鋼の錆色とともに船底に包まれるような感覚を抱かせてくれます。

4年目になる自邸は外壁の赤錆がほどよく進行していて、大切に育てられた庭園の植栽と美しいコントラストを見せています。

驚いたのは自ら毎朝1時間、地下の光庭から屋上庭園まで枯葉を取り払い剪定されているとのこと。

好きな樹木を愛でながらゆらりゆらりと舞い降りる鉄骨階段。

まさに至福の出来事が構造化されていることを実感しました。

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