又吉と瀬戸
先週末、構造設計担当の久米さんと、確認申請機関での打ち合せ後、涼をもとめてはいったカフェで建築談義するうち、話題は、新国立競技場計画での土建業界やマスコミ報道の問題へと移り、さらに件のロゴマークに話が及んでは、かえって夏バテに拍車がかかってしまったのでした。
東京オリンピックに絡んだよくない企みを多く目にしているうち、お笑いの又吉直樹の本がミリオンセラーになっているという話題すら、眉唾と勘ぐりたくもなっていました。
しかし、読まずに批判はできないという話になって、文藝春秋9月号にて「火花」を読了。
その結果、とても面白かった!
又吉という芸人が、人を笑わす仕事に情熱をもって、真剣にその職能に向き合っていることが感じられて、とても爽やかな気分になりました。
お笑いを目指すふたりの主人公の泣き笑いを通して、職業と才能の問題についての普遍的な悩みを描いているところは、多くの若い世代が読んで、確かに共感できるんじゃないかなと、改めて感心した次第です。
自分のやりたいことに向かうときに立ちはだかる才能や機会の悩みと不安は、僕の大好きな映画「パンチライン」と「キングオブコメディ」にも通じていて、ぐっとくるものがあります。
選評では、青春時代に読んだ「青が散る」の宮本輝氏が一番推していて、ちょっとうれしくなりました。
読み終えてまもなく、テレビには世界水泳400メートル個人メドレーでスランプを跳ねのけ連覇した瀬戸選手の泳ぎが映し出されていて、だめだめになっている業界もあるけれど、純粋にひたむきに頑張っている個々人の活躍を目にし、おおいに元気をもらうことができた週末なのでした。
疑って悪かった。。。
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