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2012年2月14日 (火)

アンダーグラウンド再読

先週末、地下鉄サリン事件を題材にしたインタビュー集「アンダーグラウンド」を十数年ぶりに読みました。

じつは菱谷が子供にもぜひ読ませようとして読み返していたのを横取りしたんですが。。。

この作品は事件を風化させないために読み継がれるべき本であると同時に、今から17年前の1995年3月20日の朝、地下鉄通勤という一瞬の断面で切り取られた都市生活者の様々な日常や生活感が語られていて、改めて現代都市を題材とした「民俗学」の名作でもあると思います。

作者の村上さんと同じく僕も阪神淡路大震災とサリン事件のときには遠く日本を離れていて、当時は携帯もインターネットも普及していませんでしたから、マスコミ報道を知らぬまま、翌年帰国してはじめてそれらの詳細を知ることになりました。

僕達は個々人では、天災によって甚大な被害が生じても、想像以上にそこからシンプルに立ち直っていこうという精神を無条件に持ち合わせています。でも一方で、社会のシステムに起因する犯罪や事故に対しては、途方も無い無力感を感じてしまう。オウムが自分達の生きている社会や所属する組織と鏡像の関係にあったことにこそ僕らは震撼としたのではないでしょうか。

今回の原発事故ではさらに、対象が中心も輪郭も曖昧で、とらえどころの無い、顔の見えないシステムになってしまった気がします。これまで17年もの間にもっとなにかしらできたのかもと思うと複雑な気分です。

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コメント

TRIPODさんこんにちは!
どんな災害の記憶も放っておけばそのままの状態で風化してしまいますね。
ただ、阪神の経験は東北の復興に少なからず生かされていくと思います。役所主導の箱物がかえって街や人々の生活を蝕んでしまったことへの反省がまさに今生かされるべきと思います。
一方で、僕には、僕らの社会が地下鉄サリン事件が鳴らした警鐘に耳を傾けられなかったことが、原発災害を拡大させているように思えてなりません。

おはようございます。私は95年の事を良く覚えています。東京に異動になって家探しで戻った翌日が阪神大震災でした。あれ以上の災害は無いと誰もが思っていたのに・・・人間は自分の経験した以上の事を上手く判断できないようです。何がおころうとも後世に禍根を残すような仕組みを人間は作るべきでは無いと思えた2011年でもありました。

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