斜めの研究
Amazon.co.jpをよく利用するので、お勧め本の案内メールが届きます。
今日は「斜めにのびる建築ークロード・パランの建築原理」の出版案内でした。
かつてロンドンのAAスクールでクロード・パランのイブニングレクチャーにとても感化されたことを思い出しました。(1995年だったと思います。)
講演が終わってある学生が「ジャン・ヌベルが貴方の事務所に勤めていた時、どんな所員でしたか?」と不躾な質問をしました。
「彼は天才でした。すでに教えることは無かったのです。」
とやさしく答えていたのが印象に残っています。
この時すでにクロード・パランは優しげなおじいさんといった風情でしたが、1960年代には、思想家のポール・ヴィリリオと共に、斜面状の床や都市の提案を行っており、その後世界の建築や都市のアイデアに大きな影響を与え続けることになったのです。
1990年代にはジャン・ヌベルやレム・コールハースが大規模な公共施設においてそのアイデアを展開させていったことで、20年以上の時を隔てて再注目されてのレクチャーだったわけです。
それにしても、「よくあんな質問するよなぁ。」って思いました。
1995年の初頭、私は、ピムリコにあったFOAという建築家夫婦のフラットで、横浜大桟橋のコンペ案の空間構成図を描いていました。
コンペの当選案からするとずいぶん単純化されてしまったけれど、パランとヴィリリオの「斜め」の研究から40年。
デッキの床がうねっているあの巨大なフェリーターミナルのことです。
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